2023年02月12日
筑後川水系12基を巡る~3基めのダム・大山ダム見学編
九州で、一番でっかい筑後川
我々は、筑後川の水の恩恵を受けて発展と水害の長い歴史があります。
筑後川水系のダムを巡る・知る・学ぶ企画の3基目、大山ダム(筑後川水系赤石川)にやってきました。

大山ダムは、管理10周年を迎える重力式コンクリートダム
重力式コンクリートダムの特徴は、コンクリートの塊の重さで水圧を支えるダム
地盤が強固な場所に造られる
一番、オーソドックスなダム(型式)なのでいろんなデザイン(形)のダムが存在します
構造物として、ダムのデザインの違いを見比べるのも面白いかもですよ。
きっと、このダムかっこいいとか、秘密基地っぽいとか好きなダムが見つかりますよ
きっかけは、そんな入り方でもいいのではないですかねー

(冬至の時期にのみ、常用洪水吐からのご来光を見ることができます)
同じ重力式コンクリートダムの松原ダムと違うのは、大山ダムはゲートがないダム

ダムの目的は、洪水調節(F)、河川の正常維持(N)、福岡県南広域企業団(久留米市、大川市、筑後市、城島町、大木町、三潴町、北野町)と福岡都市圏の水道水(W)

大山ダムに壁どーんしちゃった(でっけぇーなぁー)
→みんなも見学時に真似してねー(笑)
大山ダムの見学の模様
まずは、会議室にて大山ダムの役割など説明して頂きました。

会議室には、見たことがない大山ダムの素敵な写真がズラリ
写真が好きな前所長さんが撮影された写真とのこと必見です

なんと、なんと雲海になる時もあるみたいです(スゲェー)
一度は、直接この目で見てみたい光景ですねー
大山ダムは、ゲートがないダム
(大雨時に人の手による操作をしない)
自然調節方式といいます。
簡単に説明すると、家の洗面台をイメージするとわかりやすいですよ。

洗面ボールがダム湖
洗面所のオーバーフローの穴が常用洪水吐
水道が上流からの流入量(洪水量)とすると

(数年前の写真より)
大山洗面台ダムは、蛇口(上流)からの流入量があり→洗面所のオーバーフロー穴(常用洪水吐)からの放流を開始
蛇口(上流)からの流入量が少ないと、オーバーフロー穴から同量の放流(越流)をしますが

蛇口を捻り大山洗面台ダムへ流入量が増えると、洗面所ボールに貯めながら放流量を抑えて
オーバーフローから下流域に流します(大山ダムは、100㎥/s以上の洪水量の流入から洪水調節を開始します)
洗面所ダムにはないオーバーフロー穴が、大山ダムにはあと一つついています。

(洗面台をイメージして、大山ダムを眺めるとわかりやすいかな)
非常用洪水吐といい、150年に一度の蛇口からの流入
じゃない上流からの流入量(洪水量)があったとき
150年に一度の大雨が起こった時に対応出来る穴(非常用洪水吐)があります。

(大山ダム概要P4より)

(大山ダム概要P3より)
大山ダムは、管理開始から
こういう操作(洪水調節)を、大雨が降るたびに行って下流域(筑後川、赤石川)の水位上昇の低減に努めてます。
大山ダムの過去の洪水調節のプレスリリースはこちらをご覧くださいませ
→「https://www.water.go.jp/chikugo/oyama/effort/effect.html」
実は、ちゃんとこういったのをHPで公表してくれてます。

(大山ダム概要より)
⚪︎令和2年の洪水調節について、大山ダム概要(P7.8.9)を使い過去の事例を元に説明して頂きました。
大山ダム概要は、小石原川ダム管理所で無料配布しています
ダウンロード版→「https://www.water.go.jp/chikugo/chikujyo/pdf/gaiyou04_ooyama.pdf 」
令和2年、7月筑後川では観測史上最高水位を記録しました。
筑後川本流にある松原下筌ダムは、洪水調節を行い筑後川の水位上昇の低減に勤めた。
支流(赤石川)にあたる大山ダムも洪水調節で筑後川(赤石川)の水位上昇の低減に努めてます。
(筑後川で、大山ダムや他のダムの洪水調節で、4.000㎥/sの洪水調節を行います)

(大山ダム概要P7より)
→見にくいときは、ダウンロードか概要を直接手に取られてみてください
令和2年の洪水調節により、ダム湖の貯水位が6mあがる
(管理最大の量を観測)→非常用洪水吐までは、あと7m
(大山ダムの能力的には、まだまだ安心できる水位ではある)

(大山ダム概要P9より)
令和2年は、筑後川は観測史上最高水位を記録しましたが
下筌ダム、松原ダムと同様に支流にある大山ダムも筑後川水位上昇の低減に頑張ってくれていたんだ。
と理解して頂けたらと思います。

よくニュースで聞く事前放流についてお聞きしました。
既存ダムの洪水調節の強化に向けて筑後川でも
令和元年、筑後川治水協定が策定されました。

維持用水や水道水用の利水容量の貯水位を予め下げて置く操作ですが、当然ルールがあり
ルールに元図いて、大雨が予想される3日前に事前放流が必要かを判断をくだします。
大山ダムの事前放流の限度は平常時最高水位より8.28m下げる。とあります
で、この8.28m仮に水位を下げるとなると大山ダムの放流設備では約3日間かかるとのこと
現実問題としては、余程の大雨が事前に予想できた場合に可能なのではないでしょうか(私個人の認識です)
(松原ダムが、令和4年の台風14号の時に事前放流を行っていたみたいです)
→興味がある方は、見学時に質問してみてくださいね。

緊急放流(非常用洪水吐からの放流)の通知については、日田市へは3時間前に通知
関係市町村から市民への通知手段は市町村により様々です。
ダムの通知が我々にどう届くのか、市町村で行われている防災セミナーなどで関係市町村へご確認ください。
(情報の伝わり方って実は、みな平等ではないんですよね)
メディア等のテロップなどで通知もされますが、外出時などは情報が速やかに見れずに避難が遅れるケースも考えられます。
そういったケースも想定しておくと安心です
こちらのアプリは、私も入れてますが優秀です。

ダムの緊急放流の通知は、現在の所まだ装備されませんが
お近くの河川を登録しておくと、氾濫危険水位などの基準に達するとメールが届きます。
(登録は、数分で済みますので登録をお勧めします)
詳しくは、河川情報アラームの解説してます→「https://asakurashi3dam.yoka-yoka.jp/e2331208.html」
先程のアプリを入れて余裕がある時は、川の防災により
リアルタイム情報(ライブカメラ、水位情報)など見ると
心に余裕が持てますよ(私の経験上)
川の防災(国土交通省)→「https://www.river.go.jp/portal/region=89&contents=」
又、赤石川流域におきましては、流域に当たる地域の方に情報をスピーディーに伝える仕組みを検討中とのこと
(今期の出水期に間に合わせたいと話されてました)
流域の方々と、積極的に意見交換を行われてる印象を持ちました。

既得取水の安定化、河川環境の保全について
過去の事例を元に説明して頂きました(大山ダム概要、P6、大山ダムの貯水量と降水量)

(大山ダム概要P6より) 近年の雨の降り方が、よくわかります。
→令和4年度が7月まで記入、赤色となっています
⚪︎P11.利水補給実績について(令和元年)

(大山ダム概要P11より)
松原ダムの見学の中に、弾力的管理の話をして頂いたのですが松原ダムの弾力的管理は、6/20までです。
これは、梅雨の時期いつ雨が降ってもおかしくない時期に入っていて
筑後川本流にある松原下筌ダムは、洪水調節に備える必要がある。
詳しくは、松原ダム見学編→「https://asakurashi3dam.yoka-yoka.jp/e2323152.html」
雨が降りやすい時期で、雨が降れば維持放流(補給)をする必要がなくなるが
雨が降らなかった場合は、この時期は筑後川中流域では、代掻き、田植えが集中し沢山の水を使う為に、下流域の筑後川の河川環境を整える為に補給する必要がある。
筑後川が筑後川として、正常に機能できないときに
松原ダムから引き継いで、状況により河川環境の維持のために大山ダムが維持放流(補給)を行っている
(平成29、令和元年、2度実施されてます)
松原下筌ダムの見学で役割の話を聞いて、大山ダムで話を聞いたので
上流のダム(松原下筌、大山)が連携して我々筑後川流域の市民の生活を支えてるんだなと凄く理解できました。
いいねボタンがあったら10回ぐらい押したい話
座布団があったら山田くんに30枚持ってきて貰いたい(各ダムに10枚)
筑後川水系のダムという枠で巡る企画をして良かった(自画自賛(笑))
まず松原下筌ダムで、ダム見学をして役割と弾力的管理の話を聞いて
次に大山ダムで、役割と維持放流の話を聞く事をお勧めします。
⚪︎P11直下維持流量に対するについて(令和4)

(大山ダム概要P12より
要約、冬場の時期は、雨が降らずにダムへの流入量が少なく、上流からの流入量をそのまま下流へ流していた。
赤石川、筑後川の河川の維持の為に、大山ダムの利水容量から河川へ補給したいのだが
維持流量としての利水が足りなくなる(令和3年10月以降も補給、グラフP6)
そこで、福岡地区水道企業団、福岡南広域水道企業団の水を融通(管理開始初)してもらう事に
(筑後川ダム統合管理所を調整役として、水を調整されてます)
大山ダムの役割に、河川の正常な維持があるので
大山ダムは、役割を行ったといえばそれまでなんですが、
温暖化の影響で、大雨が降りやすくなってる反面、渇水の時期が長くなるとも言われているみたいです。
私は、素人ですが
こういったことを広く知るべき、伝えて行くべき
ではないかと感じました。
なんて偉そうに言ってますが、
私も、大山ダムは6回くらい訪れていたんですがねー
まさか、梅雨時期に維持放流をしているとは、する必要があるとは
見学して話を聞いてみないとわからんもんですねー
皆さんも、気軽にダム見学して欲しいな
知らないことを知るのは楽しいよ。
松原下筌ダムの弾力的管理からの大山ダムの維持放流のお話は、
小学校4年生の「水の授業」に最適ではないでしょうか
さて、いよいよお待ちかねの見学の様子の紹介だよー

大山ダムは、平常時最高水位、洪水時最高水位の水位マークがダム湖に示されているので
説明を受けて、実際に目で見ることができるので
すごく理解しやすいと思います。

丁度、真ん中のコンクリートの塊は、建設時にベルトコンベアーがあった場所とのこと
実は、ダムはこういった建設時の名残を感じる遺物が残されています。
ダム管理所の場所に、バッチャープラント(コンクリートを製造する場所)があって
ベルトコンベアーで吊るして運んだとのことです。

今回は、特別に選択取水設備の中の見学もさせていただきました。

ここも見学コースにしようか検討しているとのことです。
(ぜひ、見学コースによろしくお願いします)

ワイヤーに異常がないかは、人間の目によるチェックとのことです
(どうやってするのかは、見学時に聞いてみてみてくださいね)

監査廊へ


漏水した水の量を定期的に測量して、異常がないか確認をし
(一定の漏水は問題ないです)
その水を外へ排出するポンプです。
水の結晶化によるつまりなど起こることを想定してホームセンターなどで見かける
塩ビ管が一部使われてました(初めてみました)

監査廊の中に、建設当時から完成までの写真が飾られてました
ここは、一枚一枚、ゆっくり見たかったなぁー
遠慮してしまった、心残りだ。
話に上がったバッチャープラント、ベルトコンベアなども確認できると思いますよ
みなさんは、遠慮せずに立ち止まって見て説明をうけてくださいね

さぁ、お待ちかねの萌え萌えスポットだよ

みんなも壁どーんしてね(撮影スポット)

なんとね、常用洪水吐からの越流をタイミングがあえば
見学の時にこの場所からみれるかもだよ!!
→ただし、当然、防災体制中や安全が保障できない越流の量の時は見学は受け付けていません

(数年前に撮影、常用洪水吐から越流)
確か、数日前に雨が降って数日間越流していた記憶があります

上流にある導入水バイパス取水堰
上流の堰から取水され導入バイパスを使い
直接下流へ(大雨時の濁水、水温の変化をすくなくする効果がある)

導入水バイパス

導入水バイパス
取水堰→導入水バイパス→ゲートから放流(別の2本の穴は、選択取水設備からの分岐のゲートの穴) ↓

選択取水設備から建物の中にある発電設備を通って下流へ ↓

天端から、俯瞰してみると位置関係はこんな感じ

建物の中の発電設備とゲート室の見学も通常見学コースです

利水放流主管(主ゲート・副ゲート)
選択取水設備から繋がっていて最大14㎥/s 放流することが可能


利水放流分岐管(主ゲート・副ゲート)
選択取水設備から繋がっていて最大1.2㎥/s 放流することが可能


発電設備


流入水バイパス(主ゲート・副ゲート)
取水堰→導入バイパス→発電設備→ゲートの流れと思われる


以上が、大山ダム見学の大まかなコース内容です。
blogやダム管理所のHPをみて興味が湧いたらダムを訪れてみよう
この筑後川水系のダムを巡るシリーズの企画は、blogを見て興味を持って頂けたら
直接ダムを訪れて、質問や見学をしていただくきっかけになれば
より理解していただけるのではないか、そんなきっかけになればと思ってます。

そういえば、訪れたとき巡視艇で何か作業してあったので聞いたところ
堆砂土砂を棒で測量中でした。
疑問に思ったこと、わからないこと、職員さんに尋ねると気軽に教えてくれますよ!!
(初めの頃は、仕事中に聞いたら迷惑かな?とか、こんなん聞いたら笑われないかな?とか思いがちだけど(気持ちはわかる)
ダムカードをもらうついでに聞いたり、資料(パンフレット)を頂けますかぁーとインターンホンを押してついでに質問したりするといいかもよ!)
大山ダムでは、平日のみ団体グループでダム見学を受け付けています(無料)
大山ダム管理所HP→「https://www.water.go.jp/chikugo/oyama/」
多分ですが、筑後川水系のダムで発電設備まで見学できるダムは、大山ダムくらいではないでしょうか
(今後、見学して確認しますが)
必見かもですよ!!

大山ダム下流にある水圧鉄管

(遠くにかろうじて見えてますよね!! 大山ダムの直下に行くときに見えるあれです)
松原ダムの松原発電所(九州電力)からの水圧鉄管が大山ダム下流まで通ってます。
なんだろあれ??て思っていませんでしたか??
筑後川で最初に建設されたコンクリートダムで、発電専用の夜明ダムの見学は
3月アップ予定→「予定」
今後の予定
⭐︎九州地方整備局と筑後川ダム統合管理所編→「https://asakurashi3dam.yoka-yoka.jp/e2322800.html」
⭐︎下筌ダムと洪水調節の見学編
→「https://asakurashi3dam.yoka-yoka.jp/e2322994.html」
⭐︎松原ダム見学の模様と弾力的管理の話(利水)の見学編→「https://asakurashi3dam.yoka-yoka.jp/e2323152.html」
⭐︎夜明ダム、高瀬川ダム(2月見学→3月アップ予定)
基本的には、聞いた話をかみ砕いてわかりやすく説明をし
気軽に、ちょっとダムに行ってみようか!!と思っていただける内容を目指しています。
ここでは書ききれなかった内容もありますので、ぜひ管理所を訪れて
分からないことなど質問してみてみてください。
⭐︎見学に関して協力
国土交通省九州地方整備局・筑後川河川事務所様
水資源機構(筑後川局、筑後川下流総合管理所、筑後川上流総合管理所)様
合所ダム管理所(福岡県)様、藤波ダム管理所様(福岡県)
夜明ダム管理所様(九州電力)
ご協力感謝致します。
日本ダム協会認定 ダムマイスター
朝倉市3ダム愛好家 三ちゃん
ぷちっと、協力おねがいします

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ダムマイスター、ダム、朝倉市、筑後川、土木
我々は、筑後川の水の恩恵を受けて発展と水害の長い歴史があります。
筑後川水系のダムを巡る・知る・学ぶ企画の3基目、大山ダム(筑後川水系赤石川)にやってきました。
大山ダムは、管理10周年を迎える重力式コンクリートダム
重力式コンクリートダムの特徴は、コンクリートの塊の重さで水圧を支えるダム
地盤が強固な場所に造られる
一番、オーソドックスなダム(型式)なのでいろんなデザイン(形)のダムが存在します
構造物として、ダムのデザインの違いを見比べるのも面白いかもですよ。
きっと、このダムかっこいいとか、秘密基地っぽいとか好きなダムが見つかりますよ
きっかけは、そんな入り方でもいいのではないですかねー

(冬至の時期にのみ、常用洪水吐からのご来光を見ることができます)
同じ重力式コンクリートダムの松原ダムと違うのは、大山ダムはゲートがないダム

ダムの目的は、洪水調節(F)、河川の正常維持(N)、福岡県南広域企業団(久留米市、大川市、筑後市、城島町、大木町、三潴町、北野町)と福岡都市圏の水道水(W)

大山ダムに壁どーんしちゃった(でっけぇーなぁー)
→みんなも見学時に真似してねー(笑)

まずは、会議室にて大山ダムの役割など説明して頂きました。

会議室には、見たことがない大山ダムの素敵な写真がズラリ
写真が好きな前所長さんが撮影された写真とのこと必見です

なんと、なんと雲海になる時もあるみたいです(スゲェー)
一度は、直接この目で見てみたい光景ですねー
大山ダムは、ゲートがないダム
(大雨時に人の手による操作をしない)
自然調節方式といいます。
簡単に説明すると、家の洗面台をイメージするとわかりやすいですよ。

洗面ボールがダム湖
洗面所のオーバーフローの穴が常用洪水吐
水道が上流からの流入量(洪水量)とすると

(数年前の写真より)
大山洗面台ダムは、蛇口(上流)からの流入量があり→洗面所のオーバーフロー穴(常用洪水吐)からの放流を開始
蛇口(上流)からの流入量が少ないと、オーバーフロー穴から同量の放流(越流)をしますが

蛇口を捻り大山洗面台ダムへ流入量が増えると、洗面所ボールに貯めながら放流量を抑えて
オーバーフローから下流域に流します(大山ダムは、100㎥/s以上の洪水量の流入から洪水調節を開始します)
洗面所ダムにはないオーバーフロー穴が、大山ダムにはあと一つついています。

(洗面台をイメージして、大山ダムを眺めるとわかりやすいかな)
非常用洪水吐といい、150年に一度の蛇口からの流入
じゃない上流からの流入量(洪水量)があったとき
150年に一度の大雨が起こった時に対応出来る穴(非常用洪水吐)があります。

(大山ダム概要P4より)

(大山ダム概要P3より)
大山ダムは、管理開始から
こういう操作(洪水調節)を、大雨が降るたびに行って下流域(筑後川、赤石川)の水位上昇の低減に努めてます。
大山ダムの過去の洪水調節のプレスリリースはこちらをご覧くださいませ
→「https://www.water.go.jp/chikugo/oyama/effort/effect.html」
実は、ちゃんとこういったのをHPで公表してくれてます。

(大山ダム概要より)
⚪︎令和2年の洪水調節について、大山ダム概要(P7.8.9)を使い過去の事例を元に説明して頂きました。
大山ダム概要は、小石原川ダム管理所で無料配布しています
ダウンロード版→「https://www.water.go.jp/chikugo/chikujyo/pdf/gaiyou04_ooyama.pdf 」
令和2年、7月筑後川では観測史上最高水位を記録しました。
筑後川本流にある松原下筌ダムは、洪水調節を行い筑後川の水位上昇の低減に勤めた。
支流(赤石川)にあたる大山ダムも洪水調節で筑後川(赤石川)の水位上昇の低減に努めてます。
(筑後川で、大山ダムや他のダムの洪水調節で、4.000㎥/sの洪水調節を行います)

(大山ダム概要P7より)
→見にくいときは、ダウンロードか概要を直接手に取られてみてください
令和2年の洪水調節により、ダム湖の貯水位が6mあがる
(管理最大の量を観測)→非常用洪水吐までは、あと7m
(大山ダムの能力的には、まだまだ安心できる水位ではある)

(大山ダム概要P9より)
令和2年は、筑後川は観測史上最高水位を記録しましたが
下筌ダム、松原ダムと同様に支流にある大山ダムも筑後川水位上昇の低減に頑張ってくれていたんだ。
と理解して頂けたらと思います。

よくニュースで聞く事前放流についてお聞きしました。
既存ダムの洪水調節の強化に向けて筑後川でも
令和元年、筑後川治水協定が策定されました。

維持用水や水道水用の利水容量の貯水位を予め下げて置く操作ですが、当然ルールがあり
ルールに元図いて、大雨が予想される3日前に事前放流が必要かを判断をくだします。
大山ダムの事前放流の限度は平常時最高水位より8.28m下げる。とあります
で、この8.28m仮に水位を下げるとなると大山ダムの放流設備では約3日間かかるとのこと
現実問題としては、余程の大雨が事前に予想できた場合に可能なのではないでしょうか(私個人の認識です)
(松原ダムが、令和4年の台風14号の時に事前放流を行っていたみたいです)
→興味がある方は、見学時に質問してみてくださいね。

緊急放流(非常用洪水吐からの放流)の通知については、日田市へは3時間前に通知

ダムの通知が我々にどう届くのか、市町村で行われている防災セミナーなどで関係市町村へご確認ください。
(情報の伝わり方って実は、みな平等ではないんですよね)
メディア等のテロップなどで通知もされますが、外出時などは情報が速やかに見れずに避難が遅れるケースも考えられます。
そういったケースも想定しておくと安心です
こちらのアプリは、私も入れてますが優秀です。

ダムの緊急放流の通知は、現在の所まだ装備されませんが
お近くの河川を登録しておくと、氾濫危険水位などの基準に達するとメールが届きます。
(登録は、数分で済みますので登録をお勧めします)
詳しくは、河川情報アラームの解説してます→「https://asakurashi3dam.yoka-yoka.jp/e2331208.html」
先程のアプリを入れて余裕がある時は、川の防災により
リアルタイム情報(ライブカメラ、水位情報)など見ると
心に余裕が持てますよ(私の経験上)
川の防災(国土交通省)→「https://www.river.go.jp/portal/region=89&contents=」
又、赤石川流域におきましては、流域に当たる地域の方に情報をスピーディーに伝える仕組みを検討中とのこと
(今期の出水期に間に合わせたいと話されてました)
流域の方々と、積極的に意見交換を行われてる印象を持ちました。

既得取水の安定化、河川環境の保全について
過去の事例を元に説明して頂きました(大山ダム概要、P6、大山ダムの貯水量と降水量)

(大山ダム概要P6より) 近年の雨の降り方が、よくわかります。
→令和4年度が7月まで記入、赤色となっています
⚪︎P11.利水補給実績について(令和元年)

(大山ダム概要P11より)
松原ダムの見学の中に、弾力的管理の話をして頂いたのですが松原ダムの弾力的管理は、6/20までです。
これは、梅雨の時期いつ雨が降ってもおかしくない時期に入っていて
筑後川本流にある松原下筌ダムは、洪水調節に備える必要がある。
詳しくは、松原ダム見学編→「https://asakurashi3dam.yoka-yoka.jp/e2323152.html」
雨が降りやすい時期で、雨が降れば維持放流(補給)をする必要がなくなるが
雨が降らなかった場合は、この時期は筑後川中流域では、代掻き、田植えが集中し沢山の水を使う為に、下流域の筑後川の河川環境を整える為に補給する必要がある。
筑後川が筑後川として、正常に機能できないときに
松原ダムから引き継いで、状況により河川環境の維持のために大山ダムが維持放流(補給)を行っている
(平成29、令和元年、2度実施されてます)
松原下筌ダムの見学で役割の話を聞いて、大山ダムで話を聞いたので
上流のダム(松原下筌、大山)が連携して我々筑後川流域の市民の生活を支えてるんだなと凄く理解できました。
いいねボタンがあったら10回ぐらい押したい話
座布団があったら山田くんに30枚持ってきて貰いたい(各ダムに10枚)
筑後川水系のダムという枠で巡る企画をして良かった(自画自賛(笑))
まず松原下筌ダムで、ダム見学をして役割と弾力的管理の話を聞いて
次に大山ダムで、役割と維持放流の話を聞く事をお勧めします。
⚪︎P11直下維持流量に対するについて(令和4)

(大山ダム概要P12より
要約、冬場の時期は、雨が降らずにダムへの流入量が少なく、上流からの流入量をそのまま下流へ流していた。
赤石川、筑後川の河川の維持の為に、大山ダムの利水容量から河川へ補給したいのだが
維持流量としての利水が足りなくなる(令和3年10月以降も補給、グラフP6)
そこで、福岡地区水道企業団、福岡南広域水道企業団の水を融通(管理開始初)してもらう事に
(筑後川ダム統合管理所を調整役として、水を調整されてます)
大山ダムの役割に、河川の正常な維持があるので
大山ダムは、役割を行ったといえばそれまでなんですが、
温暖化の影響で、大雨が降りやすくなってる反面、渇水の時期が長くなるとも言われているみたいです。
私は、素人ですが
こういったことを広く知るべき、伝えて行くべき
ではないかと感じました。
なんて偉そうに言ってますが、
私も、大山ダムは6回くらい訪れていたんですがねー
まさか、梅雨時期に維持放流をしているとは、する必要があるとは
見学して話を聞いてみないとわからんもんですねー
皆さんも、気軽にダム見学して欲しいな
知らないことを知るのは楽しいよ。

小学校4年生の「水の授業」に最適ではないでしょうか


大山ダムは、平常時最高水位、洪水時最高水位の水位マークがダム湖に示されているので
説明を受けて、実際に目で見ることができるので
すごく理解しやすいと思います。

丁度、真ん中のコンクリートの塊は、建設時にベルトコンベアーがあった場所とのこと
実は、ダムはこういった建設時の名残を感じる遺物が残されています。
ダム管理所の場所に、バッチャープラント(コンクリートを製造する場所)があって
ベルトコンベアーで吊るして運んだとのことです。

今回は、特別に選択取水設備の中の見学もさせていただきました。
ここも見学コースにしようか検討しているとのことです。
(ぜひ、見学コースによろしくお願いします)

ワイヤーに異常がないかは、人間の目によるチェックとのことです
(どうやってするのかは、見学時に聞いてみてみてくださいね)

監査廊へ


漏水した水の量を定期的に測量して、異常がないか確認をし
(一定の漏水は問題ないです)
その水を外へ排出するポンプです。
水の結晶化によるつまりなど起こることを想定してホームセンターなどで見かける
塩ビ管が一部使われてました(初めてみました)

監査廊の中に、建設当時から完成までの写真が飾られてました
ここは、一枚一枚、ゆっくり見たかったなぁー
遠慮してしまった、心残りだ。
話に上がったバッチャープラント、ベルトコンベアなども確認できると思いますよ
みなさんは、遠慮せずに立ち止まって見て説明をうけてくださいね



みんなも壁どーんしてね(撮影スポット)

なんとね、常用洪水吐からの越流をタイミングがあえば
見学の時にこの場所からみれるかもだよ!!
→ただし、当然、防災体制中や安全が保障できない越流の量の時は見学は受け付けていません

(数年前に撮影、常用洪水吐から越流)
確か、数日前に雨が降って数日間越流していた記憶があります

上流にある導入水バイパス取水堰
上流の堰から取水され導入バイパスを使い
直接下流へ(大雨時の濁水、水温の変化をすくなくする効果がある)

導入水バイパス

導入水バイパス
取水堰→導入水バイパス→ゲートから放流(別の2本の穴は、選択取水設備からの分岐のゲートの穴) ↓

選択取水設備から建物の中にある発電設備を通って下流へ ↓

天端から、俯瞰してみると位置関係はこんな感じ

建物の中の発電設備とゲート室の見学も通常見学コースです

利水放流主管(主ゲート・副ゲート)
選択取水設備から繋がっていて最大14㎥/s 放流することが可能


利水放流分岐管(主ゲート・副ゲート)
選択取水設備から繋がっていて最大1.2㎥/s 放流することが可能


発電設備


流入水バイパス(主ゲート・副ゲート)
取水堰→導入バイパス→発電設備→ゲートの流れと思われる


以上が、大山ダム見学の大まかなコース内容です。
blogやダム管理所のHPをみて興味が湧いたらダムを訪れてみよう
この筑後川水系のダムを巡るシリーズの企画は、blogを見て興味を持って頂けたら
直接ダムを訪れて、質問や見学をしていただくきっかけになれば
より理解していただけるのではないか、そんなきっかけになればと思ってます。

そういえば、訪れたとき巡視艇で何か作業してあったので聞いたところ
堆砂土砂を棒で測量中でした。
疑問に思ったこと、わからないこと、職員さんに尋ねると気軽に教えてくれますよ!!
(初めの頃は、仕事中に聞いたら迷惑かな?とか、こんなん聞いたら笑われないかな?とか思いがちだけど(気持ちはわかる)
ダムカードをもらうついでに聞いたり、資料(パンフレット)を頂けますかぁーとインターンホンを押してついでに質問したりするといいかもよ!)
大山ダムでは、平日のみ団体グループでダム見学を受け付けています(無料)
大山ダム管理所HP→「https://www.water.go.jp/chikugo/oyama/」
多分ですが、筑後川水系のダムで発電設備まで見学できるダムは、大山ダムくらいではないでしょうか
(今後、見学して確認しますが)
必見かもですよ!!

大山ダム下流にある水圧鉄管
(遠くにかろうじて見えてますよね!! 大山ダムの直下に行くときに見えるあれです)
松原ダムの松原発電所(九州電力)からの水圧鉄管が大山ダム下流まで通ってます。
なんだろあれ??て思っていませんでしたか??
筑後川で最初に建設されたコンクリートダムで、発電専用の夜明ダムの見学は
3月アップ予定→「予定」

⭐︎九州地方整備局と筑後川ダム統合管理所編→「https://asakurashi3dam.yoka-yoka.jp/e2322800.html」
⭐︎下筌ダムと洪水調節の見学編
→「https://asakurashi3dam.yoka-yoka.jp/e2322994.html」
⭐︎松原ダム見学の模様と弾力的管理の話(利水)の見学編→「https://asakurashi3dam.yoka-yoka.jp/e2323152.html」
⭐︎夜明ダム、高瀬川ダム(2月見学→3月アップ予定)
基本的には、聞いた話をかみ砕いてわかりやすく説明をし
気軽に、ちょっとダムに行ってみようか!!と思っていただける内容を目指しています。
ここでは書ききれなかった内容もありますので、ぜひ管理所を訪れて
分からないことなど質問してみてみてください。
⭐︎見学に関して協力
国土交通省九州地方整備局・筑後川河川事務所様
水資源機構(筑後川局、筑後川下流総合管理所、筑後川上流総合管理所)様
合所ダム管理所(福岡県)様、藤波ダム管理所様(福岡県)
夜明ダム管理所様(九州電力)
ご協力感謝致します。
日本ダム協会認定 ダムマイスター
朝倉市3ダム愛好家 三ちゃん


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Posted by さんちゃん at 20:22│Comments(0)
│筑後川と流域のこと