2022年12月16日
筑後川水系12基を巡る~1基めのダム・下筌ダム見学編
筑後川ダム統合管理所(久留米市)から移動をし
1基めのダム・下筌ダムにやってきました

(あっ、ほらほらみてぇー ダム統管・支所とかかれてる)
下筌ダムと松原ダムは、昭和28の筑後川大洪水(西日本水害)を経験して
(総降水量が1,000ミリを超える記録的な豪雨により、九州最大の河川である筑後川をはじめ白川など、九州北部を流れる河川がほぼすべて氾濫、流域に戦後最悪となる水害を引き起こし、死者・行方不明者1,001名、浸水家屋45万棟、被災者数約100万人という大災害となった)
この災害を繰り返さない為に造られた多目的ダムです。
下流域の洪水調節(F)、河川維持用水(N)、発電を目的(P)
とします。

筑後川水系では、唯一のアーチダム(左岸にある下筌ダム慰霊碑より撮影)

くねーって、まがってんだぜー(右岸、蜂の巣湖展望所より)
アーチの曲がりを感じるならここから見るのがいいよね
下流に向かって右側が右岸となります・

アーチダムの特徴は、
アーチにすることで、両脇の山脈に水圧を分散させて支えるダム(力学の法則?小学校の理解の授業でならったよねー
(たぶん))
重力式コンクリートダムより、堤体のコンクリートの厚さが
薄く済む事でコスト削減できます。
両側の山脈に囲まれていて、強固な岩盤が必要な為に建てられ場所は限られています。

(左岸にある下筌ダム慰霊碑より撮影) ゲートを中心に見るならここだね
うむ、かっこいい

建設時のインクラインを使った巡視艇の昇降口と横にはごみを取る設備(ダム湖左岸)

下筌ダムは、自前で焼却炉を持っています

九州電力さんの取水設備(巡視艇の奥の山に見えてます)


1階のロビーにて、蜂の巣闘争のお話をしていただきました。
S28の大洪水を契機に、松原下筌ダムの建設が計画されたのですが
故室原友幸氏を代表とする地元民から激しい反対の声があがりました。

近くにある資料館のしもうけ館(土日開館)には、
リーダーの室原さんのお孫さんから譲って頂いた、蜂の巣運動の旗などたくさんの写真や貴重な資料が展示されてます。
この闘争をきっかけにし、ダム建設(公共事業)のあり方(補償など)が見直されてます。

ダム天端入口にある「下筌ダム」の文字は、室原知幸氏が砦に立てるために書いた「下筌ダム反対」の文字からとった
とのこと

(左岸にある下筌ダム慰霊碑より)
ぜひ、一緒にご覧くださいませ
通常の見学コースを案内していただきました。

制御室へ

筑後川水系、支流、寺内導水路、、木和田導水路、福岡導水路、用水路(大石用水他ありました)などの
河川の流量が表示されてるパネル、ライブカメラ、雨雲レーダー、ダムコン(操作パネル)など

こういったパネルが、統管、松原ダムにもあり情報を共有し、統管から放流の指示を受けるそうです。
(わくわくだねー)

(令和2.7月豪雨、ダム統合管理所から松原ダムの管理中
ダム統合管理所提供写真)

(令和2.7月豪雨、ダム統合管理所から下筌ダムの管理中
ダム統合管理所提供写真)
写真を見ると、時間は0時を周り
ざっと10人は職員の方が防災態勢で詰めてありますね
さらに、松原下筌の各ダムに数人づつと考えると
ざっとダム関係だけ見ても、20人近くの人が寝ずの管理をされてる
我々の生活の安全を影で支えてくれてる方がいると考えたら、早めの避難を心がけたいと思いますよね

(このアングル良くない?? 萌えない??笑)
通常は、コンジットゲート2門を使用して放流をするのですが
令和2年、7月、クレストゲートからの緊急放流を
管理初されてます。
下筌ダムには、利水専用のバルブなどなく
発電は、九州電力さんが行われてるのですが
維持用水(低水管理)は、九州電力さんと連絡を取りながら
発電した水が維持用水として並行して使用されます。

監査廊の中へ


たわみ計(ステンレスのワイヤーを吊り下げて(あげて)、水圧や地盤の変形による、ダム提体の変形などを計測する機器です
上から吊るすタイプと、下から吊るすタイプの2種類あります)
アーチならではの違いは、このたわみ計の数がべらぼうに多い
重力式コンクリートダムは、2つや3つくらいなのが下筌ダムは15こ
アーチダム(型式)ということで、計器が多かったり、検査において重力式コンクリートダムより厳しいみたいです。

なんとキャットウォークも、通常の見学コースでした。

小学校の見学などでも子供達が渡っているとか
(中には、怖くて行けない子もいるみたいです)
キャットウォークは、月に一回
職員さんの点検に使用されてるみたいです。
職員さんは、ここを普段から歩くんだから凄いよね!
幅は、2mくらいあり、安心感はありました。

説明にあった、蜂の巣闘争の拠点となった蜂の巣城は、この斜面にずらりとあったみたいです。
(ということは、松下ダムカレーの蜂の山の場所(再現)は合ってるんだねー)


(コンジットゲートもこんな近くに)



コンジットゲートを真下から!! (笑)

今の時期は水位が高いので
(非出水期は、ダム湖に水を溜めて河川維持用水と発電用に水位を高く保つ)為に、減勢工もダム湖に沈んでますが、
出水期(洪水期)になると、松原ダムも下筌ダムも水位を下げて洪水に備える為に減勢工が現れるみたいです。

(3.9キロ下流にある松原ダムのダム湖と繋がっています)
又、洪水期になると右岸側に管理用道路が現れるみたいです(基本一般車は入れない道路)
6月くらいになると、管理道路、減勢工が現れると思いますので、
非出水期と出水期を比べて見てみてください(私も又きます)
松原、下筌ダムの洪水の役割について質問してみました。
なかなか文章だけでは、理解は難しいと思います。
なんとなく知って頂いて、興味が湧いたら、知りたいと思って頂けたらダムの見学(無料)に参加して
直接、話をきちんと聞かれたらいいかと思います。
よかったら、最後までお付き合いくださいませ!!

松原下筌ダム・治水効果(プレスリリース)→「http://www.qsr.mlit.go.jp/site_files/file/bousai_joho/bousai200710050.pdf#page=70」
⭐︎下筌松原ダムの緊急放流の可能性があるとか、ないとかあったけど
下筌松原ダムとここ(中流域)とはかなり距離がありピン!と来ないがどーなのか?
ここも避難(意識)しないといけないのか、 というダムマイスターとして有るまじき質問。
僕みたいに、よくわからんて人もいるかもしれないしね
ダムの操作を簡単に説明すると、
「上流からダム湖に一定の洪水量が流れ込んでくると洪水調節に入ります(下筌ダム貯留開始は350m³/s、松原ダムは、700m³/s)
洪水調節に入ると、上流から流れ込んだ洪水をダム湖に溜めながら放流量を抑えて
下流域の河川の水位上昇を抑える操作を行い続けます。
ダム湖に溜めるのは限界があり、限界が来るとダムに流れ込んだ流入量に近い放流量をそのまま下流に流すのが緊急放流です。
緊急放流に移行すると、そのままの洪水量を下流に流す(スルー)するので水位が上がりやすくなる。」
令和2年、下筌ダムは洪水調節から緊急放流に移行した(松原ダムはしていない)のだが、
さて我々は避難の為に何を見ればいいのか、説明を受けてポイントを私なりにまとめてみました
1、下筌ダムが緊急放流に移行すると、必然的に松原ダムの放流量も徐々に増えることが予想される。
さらに、松原ダムも緊急放流に移行する可能性も高くなる。
松原下筌ダムが、がんばってる間(洪水調節中)に早めの避難を準備をよろしくお願いします。
(下に位置する松原ダムがあるからと思わずに、防災意識(避難など)をさらにワンランク危機意識を高めるくらいの考え方(行動)でいいと思います)
補足1、
下筌ダムと松原ダムの間には、流れ込む別の川(杖立川)があり杖立川からの洪水量が多いと松原ダムが先に緊急放流の可能性もある
(必ず、下筌からというわけではないので注意)
保作2、
令和3年9月の台風14号では、松原ダムにおいて「緊急放流」が予測されたため、
豪雨になる前に出来るだけダムの水位を下げる特別な操作「事前放流操作」を実施
(幸い緊急放流には移行せず)
事前放流のプレスリリースが公表されてました→「http://www.qsr.mlit.go.jp/toukan/oshirase/PDF/R040928.pdf」
2、緊急放流の3時間前に、ダム管理所から関係市町村などに通知がされます。
関係市町村から市民への通知手段は市町村により様々です。
ダムの通知がどう届くのか、市町村で行われている防災セミナーなどで関係市町村へご確認ください。
(情報の伝わり方って実は、みな平等ではないんですよね)
メディア等のテロップなどで通知もされますが、外出時などは情報が速やかに見れずに避難が遅れるケースも考えられます。
そういったケースも想定しておくと安心です
こちらのアプリは、私も入れてますが優秀です。

ダムの緊急放流の通知は、現在の所まだ装備されませんが
お近くの河川を登録しておくと、氾濫危険水位などの基準に達するとメールが届きます。
(登録は、数分で済みますので登録をお勧めします)
先程のアプリを入れて余裕がある時は、川の防災により
リアルタイム情報(ライブカメラ、水位情報)など見ると
心に余裕が持てますよ(私の経験上)
川の防災(国土交通省)→「https://www.river.go.jp/portal/region=89&contents=」
観測史上最高水位の記録を令和2年、7月に記録していた
近年の雨の降り方の話の中で、再認識することとなりました。
令和2年7月豪雨は、本当にひやひやして私も避難した記憶があります
観測史上最高を記録していたとは知りりませんでした。
(大山ダムもがんばっていたみたい)
近年、大雨が降りやすくなってると耳にするかと思いますが
僕の中でも、令和2、3の大雨が過去の事となり、時間とともに記憶から薄れて行ってました。
こういった資料が公表されてますので、現状を知る為に、自分に関係する河川(箇所)だけでも
ぜひ確認をされてみてください。
令和2年・出水概要 速報版(筑後川河川事務所)
「http://www.qsr.mlit.go.jp/chikugo/site_files/osirase/R2/20200728.pdf」

下筌ダムでは、平日、一人~団体、グループのダム見学を受け付けています
ん!!、一人からOKなんだってよぉーーーーーーー
「ダムに興味がある人も、よくわからないやーて人も
三ちゃんのblogを見て興味がわいた人も、ダムの見学しようぜ!!」
やっぱね、直接 職員さんと話をした方がわかるし
質問できるから、興味がわいた時が見学する時だよ。
冬休み、春休み、夏休みに見学してダムを楽しく学んで、理解しよう!!
ダム統合管理所(見学申し込み)→「http://www.qsr.mlit.go.jp/toukan/」
見学予約するときに、要望とか言っていた方がいいよ!
見学初めてなんです!とか
パンフレット、資料やHPに書かれてる◯◯について教えてください。とか
今回は、私も要望を伝えていましたので
この内容のダム役割の説明があるのかわかりませんが
洪水調節の話と弾力的管理のお話は、聞いて欲しい話ですね。
インスタリール動画もちょっとだけどどーぞ、「https://www.instagram.com/reel/CmMbNEspmPN/?igshid=MDJmNzVkMjY=」

下筌ダム、松原ダムは、筑後川の上流に位置し
なかなか行く機会も少ないと思います。
市民の生活をささえてる下筌松原ダム
来年は、松原下筌ダム 管理50周年
筑後川本格改修100周年を迎えます。
この機会に、ダムの見学をして楽しくダムを学んでみませんか?
今後の予定
⭐︎松原ダム見学の模様と弾力的管理の話(利水)については
1月10日頃アップ予定

⭐︎大山ダム見学(1月見学→2月アップ予定)
⭐︎夜明ダム、高瀬川ダム(2月見学→3月アップ予定)
基本的には、聞いた話をかみ砕いてわかりやすく説明をし
ちょっとダムに行ってみようか!!と思っていただける内容を目指しています。
ここでは書ききれなかった内容もありますので、ぜひ管理所を訪れてみてみてください。
⭐︎見学に関して協力
国土交通省九州地方整備局・筑後川河川事務所様
水資源機構(筑後川局、筑後川下流総合管理所、筑後川上流総合管理所)様
合所ダム管理所(福岡県)様、藤波ダム管理所様(福岡県)
夜明ダム管理所様(九州電力)
ご協力感謝致します。
日本ダム協会認定 ダムマイスター
朝倉市3ダム愛好家 三ちゃん
ぷちっと、協力おねがいします

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ダムマイスター、ダム、朝倉市、筑後川、土木
1基めのダム・下筌ダムにやってきました

(あっ、ほらほらみてぇー ダム統管・支所とかかれてる)
下筌ダムと松原ダムは、昭和28の筑後川大洪水(西日本水害)を経験して
(総降水量が1,000ミリを超える記録的な豪雨により、九州最大の河川である筑後川をはじめ白川など、九州北部を流れる河川がほぼすべて氾濫、流域に戦後最悪となる水害を引き起こし、死者・行方不明者1,001名、浸水家屋45万棟、被災者数約100万人という大災害となった)
この災害を繰り返さない為に造られた多目的ダムです。
下流域の洪水調節(F)、河川維持用水(N)、発電を目的(P)
とします。
筑後川水系では、唯一のアーチダム(左岸にある下筌ダム慰霊碑より撮影)

くねーって、まがってんだぜー(右岸、蜂の巣湖展望所より)
アーチの曲がりを感じるならここから見るのがいいよね


アーチにすることで、両脇の山脈に水圧を分散させて支えるダム(力学の法則?小学校の理解の授業でならったよねー
(たぶん))
重力式コンクリートダムより、堤体のコンクリートの厚さが
薄く済む事でコスト削減できます。
両側の山脈に囲まれていて、強固な岩盤が必要な為に建てられ場所は限られています。

(左岸にある下筌ダム慰霊碑より撮影) ゲートを中心に見るならここだね
うむ、かっこいい

建設時のインクラインを使った巡視艇の昇降口と横にはごみを取る設備(ダム湖左岸)

下筌ダムは、自前で焼却炉を持っています

九州電力さんの取水設備(巡視艇の奥の山に見えてます)

1階のロビーにて、蜂の巣闘争のお話をしていただきました。
S28の大洪水を契機に、松原下筌ダムの建設が計画されたのですが
故室原友幸氏を代表とする地元民から激しい反対の声があがりました。

近くにある資料館のしもうけ館(土日開館)には、
リーダーの室原さんのお孫さんから譲って頂いた、蜂の巣運動の旗などたくさんの写真や貴重な資料が展示されてます。
この闘争をきっかけにし、ダム建設(公共事業)のあり方(補償など)が見直されてます。

ダム天端入口にある「下筌ダム」の文字は、室原知幸氏が砦に立てるために書いた「下筌ダム反対」の文字からとった
とのこと

(左岸にある下筌ダム慰霊碑より)
ぜひ、一緒にご覧くださいませ


制御室へ
筑後川水系、支流、寺内導水路、、木和田導水路、福岡導水路、用水路(大石用水他ありました)などの
河川の流量が表示されてるパネル、ライブカメラ、雨雲レーダー、ダムコン(操作パネル)など

こういったパネルが、統管、松原ダムにもあり情報を共有し、統管から放流の指示を受けるそうです。
(わくわくだねー)

(令和2.7月豪雨、ダム統合管理所から松原ダムの管理中
ダム統合管理所提供写真)

(令和2.7月豪雨、ダム統合管理所から下筌ダムの管理中
ダム統合管理所提供写真)

ざっと10人は職員の方が防災態勢で詰めてありますね
さらに、松原下筌の各ダムに数人づつと考えると
ざっとダム関係だけ見ても、20人近くの人が寝ずの管理をされてる
我々の生活の安全を影で支えてくれてる方がいると考えたら、早めの避難を心がけたいと思いますよね

(このアングル良くない?? 萌えない??笑)
通常は、コンジットゲート2門を使用して放流をするのですが
令和2年、7月、クレストゲートからの緊急放流を
管理初されてます。
下筌ダムには、利水専用のバルブなどなく
発電は、九州電力さんが行われてるのですが
維持用水(低水管理)は、九州電力さんと連絡を取りながら
発電した水が維持用水として並行して使用されます。

監査廊の中へ

たわみ計(ステンレスのワイヤーを吊り下げて(あげて)、水圧や地盤の変形による、ダム提体の変形などを計測する機器です
上から吊るすタイプと、下から吊るすタイプの2種類あります)
アーチならではの違いは、このたわみ計の数がべらぼうに多い
重力式コンクリートダムは、2つや3つくらいなのが下筌ダムは15こ
アーチダム(型式)ということで、計器が多かったり、検査において重力式コンクリートダムより厳しいみたいです。

なんとキャットウォークも、通常の見学コースでした。
小学校の見学などでも子供達が渡っているとか
(中には、怖くて行けない子もいるみたいです)
キャットウォークは、月に一回
職員さんの点検に使用されてるみたいです。
職員さんは、ここを普段から歩くんだから凄いよね!
幅は、2mくらいあり、安心感はありました。

説明にあった、蜂の巣闘争の拠点となった蜂の巣城は、この斜面にずらりとあったみたいです。
(ということは、松下ダムカレーの蜂の山の場所(再現)は合ってるんだねー)

(コンジットゲートもこんな近くに)



コンジットゲートを真下から!! (笑)

今の時期は水位が高いので
(非出水期は、ダム湖に水を溜めて河川維持用水と発電用に水位を高く保つ)為に、減勢工もダム湖に沈んでますが、
出水期(洪水期)になると、松原ダムも下筌ダムも水位を下げて洪水に備える為に減勢工が現れるみたいです。

(3.9キロ下流にある松原ダムのダム湖と繋がっています)
又、洪水期になると右岸側に管理用道路が現れるみたいです(基本一般車は入れない道路)
6月くらいになると、管理道路、減勢工が現れると思いますので、
非出水期と出水期を比べて見てみてください(私も又きます)

なかなか文章だけでは、理解は難しいと思います。
なんとなく知って頂いて、興味が湧いたら、知りたいと思って頂けたらダムの見学(無料)に参加して
直接、話をきちんと聞かれたらいいかと思います。
よかったら、最後までお付き合いくださいませ!!

松原下筌ダム・治水効果(プレスリリース)→「http://www.qsr.mlit.go.jp/site_files/file/bousai_joho/bousai200710050.pdf#page=70」
⭐︎下筌松原ダムの緊急放流の可能性があるとか、ないとかあったけど
下筌松原ダムとここ(中流域)とはかなり距離がありピン!と来ないがどーなのか?
ここも避難(意識)しないといけないのか、 というダムマイスターとして有るまじき質問。

ダムの操作を簡単に説明すると、
「上流からダム湖に一定の洪水量が流れ込んでくると洪水調節に入ります(下筌ダム貯留開始は350m³/s、松原ダムは、700m³/s)
洪水調節に入ると、上流から流れ込んだ洪水をダム湖に溜めながら放流量を抑えて
下流域の河川の水位上昇を抑える操作を行い続けます。
ダム湖に溜めるのは限界があり、限界が来るとダムに流れ込んだ流入量に近い放流量をそのまま下流に流すのが緊急放流です。
緊急放流に移行すると、そのままの洪水量を下流に流す(スルー)するので水位が上がりやすくなる。」

さて我々は避難の為に何を見ればいいのか、説明を受けてポイントを私なりにまとめてみました
1、下筌ダムが緊急放流に移行すると、必然的に松原ダムの放流量も徐々に増えることが予想される。
さらに、松原ダムも緊急放流に移行する可能性も高くなる。
松原下筌ダムが、がんばってる間(洪水調節中)に早めの避難を準備をよろしくお願いします。
(下に位置する松原ダムがあるからと思わずに、防災意識(避難など)をさらにワンランク危機意識を高めるくらいの考え方(行動)でいいと思います)
補足1、
下筌ダムと松原ダムの間には、流れ込む別の川(杖立川)があり杖立川からの洪水量が多いと松原ダムが先に緊急放流の可能性もある
(必ず、下筌からというわけではないので注意)
保作2、
令和3年9月の台風14号では、松原ダムにおいて「緊急放流」が予測されたため、
豪雨になる前に出来るだけダムの水位を下げる特別な操作「事前放流操作」を実施
(幸い緊急放流には移行せず)
事前放流のプレスリリースが公表されてました→「http://www.qsr.mlit.go.jp/toukan/oshirase/PDF/R040928.pdf」
2、緊急放流の3時間前に、ダム管理所から関係市町村などに通知がされます。
関係市町村から市民への通知手段は市町村により様々です。
ダムの通知がどう届くのか、市町村で行われている防災セミナーなどで関係市町村へご確認ください。
(情報の伝わり方って実は、みな平等ではないんですよね)
メディア等のテロップなどで通知もされますが、外出時などは情報が速やかに見れずに避難が遅れるケースも考えられます。
そういったケースも想定しておくと安心です
こちらのアプリは、私も入れてますが優秀です。

ダムの緊急放流の通知は、現在の所まだ装備されませんが
お近くの河川を登録しておくと、氾濫危険水位などの基準に達するとメールが届きます。
(登録は、数分で済みますので登録をお勧めします)
先程のアプリを入れて余裕がある時は、川の防災により
リアルタイム情報(ライブカメラ、水位情報)など見ると
心に余裕が持てますよ(私の経験上)
川の防災(国土交通省)→「https://www.river.go.jp/portal/region=89&contents=」

近年の雨の降り方の話の中で、再認識することとなりました。
令和2年7月豪雨は、本当にひやひやして私も避難した記憶があります
観測史上最高を記録していたとは知りりませんでした。
(大山ダムもがんばっていたみたい)
近年、大雨が降りやすくなってると耳にするかと思いますが
僕の中でも、令和2、3の大雨が過去の事となり、時間とともに記憶から薄れて行ってました。
こういった資料が公表されてますので、現状を知る為に、自分に関係する河川(箇所)だけでも
ぜひ確認をされてみてください。
令和2年・出水概要 速報版(筑後川河川事務所)
「http://www.qsr.mlit.go.jp/chikugo/site_files/osirase/R2/20200728.pdf」

下筌ダムでは、平日、一人~団体、グループのダム見学を受け付けています
ん!!、一人からOKなんだってよぉーーーーーーー
「ダムに興味がある人も、よくわからないやーて人も
三ちゃんのblogを見て興味がわいた人も、ダムの見学しようぜ!!」
やっぱね、直接 職員さんと話をした方がわかるし
質問できるから、興味がわいた時が見学する時だよ。
冬休み、春休み、夏休みに見学してダムを楽しく学んで、理解しよう!!

見学予約するときに、要望とか言っていた方がいいよ!
見学初めてなんです!とか
パンフレット、資料やHPに書かれてる◯◯について教えてください。とか
今回は、私も要望を伝えていましたので
この内容のダム役割の説明があるのかわかりませんが
洪水調節の話と弾力的管理のお話は、聞いて欲しい話ですね。


下筌ダム、松原ダムは、筑後川の上流に位置し
なかなか行く機会も少ないと思います。
市民の生活をささえてる下筌松原ダム
来年は、松原下筌ダム 管理50周年
筑後川本格改修100周年を迎えます。
この機会に、ダムの見学をして楽しくダムを学んでみませんか?

⭐︎松原ダム見学の模様と弾力的管理の話(利水)については
1月10日頃アップ予定
⭐︎大山ダム見学(1月見学→2月アップ予定)
⭐︎夜明ダム、高瀬川ダム(2月見学→3月アップ予定)
基本的には、聞いた話をかみ砕いてわかりやすく説明をし
ちょっとダムに行ってみようか!!と思っていただける内容を目指しています。
ここでは書ききれなかった内容もありますので、ぜひ管理所を訪れてみてみてください。
⭐︎見学に関して協力
国土交通省九州地方整備局・筑後川河川事務所様
水資源機構(筑後川局、筑後川下流総合管理所、筑後川上流総合管理所)様
合所ダム管理所(福岡県)様、藤波ダム管理所様(福岡県)
夜明ダム管理所様(九州電力)
ご協力感謝致します。
日本ダム協会認定 ダムマイスター
朝倉市3ダム愛好家 三ちゃん


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ダムマイスター、ダム、朝倉市、筑後川、土木
Posted by さんちゃん at 00:23│Comments(0)
│筑後川と流域のこと