緊急放流を住民として経験した感想

さんちゃん

2025年01月03日 14:31

令和5、7月10日、深夜からの急な大雨で朝倉市にある小石原川ダム、寺内ダムは緊急放流の可能性が高まり、寺内ダムはその後 緊急放流に移行しました。



私は、寺内ダムが上流にある佐田川下流域(浸水地域)住民です
自宅で緊急放流の通知を受けました。

今日は、緊急放流を経験した住民目線でダムマイスターとして
当時を振り返りつつ、どう感じたのか?

何故なかなかダムの理解に繋がらないのか?誤解を受けるのか?
マイスターの知識と経験を活かして、感じたことをお話をしたいと思います。


(写真は7/10緊急放流時ではありません)

10日当日(9日前日)は、緊急放流に移行するほどの大雨の予報はありませんでした
私自身も、予期せぬ大雨でしたが
九州地方整備局の河川情報アラームを登録していたので
(河川情報アラームについては過去blog→
https://asakurashi3dam.yoka-yoka.jp/e2331208.html
熟睡していましたが、3時すぎには大雨の通知(小石原川、佐田川)、水位上昇の通知(小石原川)で水災害の予兆に早めに気づく事ができて4時すぎには起きて、パソコンで川の防災などの防災情報を見ていました。



6時くらいに、川の防災のダム情報に緊急放流の可能性の情報がアップされ、メディア等でも可能性があると通知が流れ始めてました。



小石原川は4時30分あたりからの氾濫危険水位や超過へ



佐田川は、寺内ダムの洪水調節(寺内ダムのがんばり)の効果もあり氾濫危険水位(レベル4)に一度もならずに
6時54 線状降水帯の発生によりレベル5へ



その後、自治体などの防災通知で
寺内ダム(9時30)、小石原川ダム(9時15)の緊急放流の可能性の通知が届く



実際に、自治体からの通知が届いた感想ですが、 
“あー、きたかぁー” “被害少ないといいなぁー” 
“寺内ダムがんばれ” “びっくりした”

当日は、午前4時から川の防災で河川の水位やダムの変化を見守ってきていたのですが、通知が届くとやはり不安になるし、どきっとしました。
当然ながら寺内ダムの操作は理解しています。



では、ダムの操作をよく理解されてない住民の方や、私みたいに早い段階からではなく急に緊急放流の通知が届いたらとどう感じたのでしょうか
(実は、どう感じるのか??当日に想像してみてました)

“ダムが急に放流した”  “なぜ今、放流するんだ”

と思うのは緊急放流を経験してみて住民感情としてはすごく理解できる、
誤解、ミスリードが生まれやすいと強く思いました。


おいおい、違うだろ!! と思われる関係者の方もいらっしゃると思いますが、

河川の水位は、すでに氾濫危険水位や超過などが考えられ、外は大雨
住民の方は、そういう状況に置かれていて不安の中で起きる感情なんだと思います。

では、どうしたら誤解がミスリードが起きにくく出来るのかを考えた時に

1、通知する
ここ数年、自治体独自の通知手段が増えました。

緊急放流の通知が、我々に届くダムの通知の中で1番最初に届く
それも予想してない通知がいきなり届くから、かなりびっくりします(レベル4や5にはなっていますが)
緊急放流の文字の伝える力ときたら・・・・・ハンパないです。

結果として、“ダムが急に放流した”など誤解が生まれる(ミスリードになる)

ダムの操作をきちんと理解してなければ当然の結果かと
(私もダムの事を理解していなければそう感じたと思います。
特に、緊急放流のタイミングで被害が発生してしまうとより疑念、不安などより起こりやすい)

その前の段階から通知する
洪水調節は、避難する時間を作っているなどと言われていますが
洪水調節の段階から市民へ通知をしている、知らせている自治体やダムはおおくはないのではないだろうか
近年、短時間で大雨が降りやすくなり、水災害の変化が短時間で大きく変化しやすくなってきているのであれば時代に合わせた通知のタイミングや通知の内容の再確認、改善は必要だと思われる

自治体独自の通知手段が増えた今可能ではないだろうか

又、緊急放流は、自然が相手となります。
予定時間が早まることもあれば、
ダムが頑張ってくれて予定時間より遅くなることもある。
仮に30分想定よりも早めの緊急放流になっても誤解、混乱や不安なく避難できる事を想定し通知をどうするか検討
又、早まることもあるということも事前に伝えていく必要があり
想定したタイムラインの作成が必要ではないか

ダムへの誤解、ミスリードをなくすことを考えるならば、早めの段階で通知することを検討してもいいのではないか
頑張って下流域を守っているのに、通知のタイミングによって誤解され、誤解から住民の不安につながるのであれば
なんだかなぁーとやるせない思いになる

それは避けていただきたい。

2、川の防災でダムの放流状況を確認してみる

河川流域に住んでいると、川の増水による水位変化は当然ながら気になり確認します。
上流にダムがあり、ダムが河川の水位上昇を遅らせる水位低減操作を行なっているのであれば、当然、気にするべき、確認するべき
そういうことを市民へ伝えていくべきだと感じてます。


(写真は7/10緊急放流時ではありません)

数年前、ダム愛好家になり、
大雨の時に、初めて川の防災で寺内ダムの操作の数値を見ましたが素人なのでわからなかったが
わからないものの上流にあるダムなので、大雨のたびに何気に何度も数値を見ているとなんとかく感覚でわかってくる

例えば、あれ??この前の流入量より(放流量より)今回多いなとか、
ダムに今、溜めてるのか!! それで佐田川の水位はこれくらいなのかとか、
ダムに溜め始めたのは遡って何時からだろとか、

見ていると、少しづついろいろわかってきます。
特に、被害にあった時に途中にどれくらいの流入量があって、放流量がどれくらいあって
下流の水位低減を頑張っていた!!というのを川の防災でリアルタイムで少しでも確認しているのと
いないとでは、大きくダムに対しての感じ方が違うと思ってます(私の実体験からの感想です)



これは沢山のダムを見ましょう!という話ではなく自分に関係するダムは見てみましょう!
興味を持ちましょうということです。

だって、我々の住んでる下流域の水位低減に上流のダムは大きくかかわってるわけです。
私なんか、最初は本当にダムの効果ってあるのか??とか愛好家なのに疑って寺内ダムの操作を見てましたから(笑)

住んでいる以上、長くお付き合いしていくわけなので大雨の時にちょっと川の防災でダムを見てみようか!!と気軽に見たらいいと思います。
(直接、ダムや河川に行って放流がどれくらいとか見に行かないことです。
見ても放流量とかわからないですし、レベル4や5が発令中にわざわざダムや河川付近に行くのは命の危険がありますしアホだと思います)

自治体関係者、水関係の職員の方の中には、
一般の方がダムの放流の数値を見るのはどうなんだ?意味があるのか?理解できるのか?と思われる方もいらっしゃるかもしりませんが
私は、見るべきだと実感しています

川の防災も、年々改善されて見やすくなっています
ダムの色のアイコンが青に変わると洪水調節中(ダムに溜めながら水位上昇を抑えてる)
紫色は、緊急放流(上流からの流入量と同等を放流する)へ移行の可能性がある(又は緊急放流中)

一般の方が見て、より分かりやすく改善されて行ってます。



九州の方だと、九州地方整備局の河川情報アラーム(最初に紹介した)を登録しておいて
通知が届いたときに、通知のメールから川の防災に飛べるので
ついでに画面を上流にスクロールして、上流のダムも見てみると容易にチェックすることが可能です(過去blogにて詳しく紹介しています)
時代とともに、河川の防災情報を気軽に確認できるようになってきています。

近年の雨の降り方を見る、毎年大雨を実際に経験して言えることは、
ひと昔だとダムの操作など気にしなくても良かったかもしれないが、
川の防災などみなくってもよかったが、近年の短時間で局地的に大雨が降り
数時間で水災害が大きく変わりやすくなってる今は
考え方の変化を行い、ブラッシュアップしていく
自ら情報を得る必要性を感じてます。


3、市民対象のダムの防災講座を行う

一旦、不安に思われたり、ダムに関して疑心暗鬼に思われた市民の方に、
改めて話を聞いて貰う、理解して貰う、安心して貰うのはなかなか難しくなります。

ダムが上流にあるあまりダムにいい感情をお持ちでない方と話した事がありますが
〇〇ダムが放流するからうちの地域は浸水したなどのご意見でした。
経験上一度、不安、疑心暗鬼になられた方に理解して貰うのはなかなか難しい経験をしました。

被害に遭う、不安、疑心暗鬼に感じる前に、緊急放流を経験する前に防災講座を行う方が
何倍も容易に理解していただける、話を聞いていただける


大雨に対する不安(リスク)が近年増加してるのであれば、防災に対する講座等の回数も比例して増えてるべきと考えます

市民、流域の方は、この地でこれからも暮らすわけです。
近年、大雨に対する不安やリスクが増えて感じているのに
不安や疑問を解消したい、質問したい時に、そういう機会がない、増えてないのは不安が解消されずに積み重なることになる

というのも、実はたまに来られるお客様が私がダムが好き(何度かテレビにでていたこともあり)
を知って、「私、大雨の度にダムが決壊しないか不安なんよ」と何度か言われたこともあり
最初は、なぜそんな不安になるのかわからなかったんです。
(私は、ダムの見学に行き、不安や疑問は質問していたので)
でもその方は、流域で生活され本当に不安を持たれているのだと考えると
疑問を解消する、不安を解消する機会はあるのか、少ないのか十分なのか客観的に考える必要もあるのではないかと考えます。

ダムの役割の説明だけでもだめですし、一緒に緊急放流時の防災通知の確認、緊急放流時のマイタイムライン作成、避難行動の再確認なども行うことで不安解消へと繋がる

これには、自治体とダム管理所が一緒になってダムと防災に取り組むことになるが

こういったダムの防災の講座などが、目に見える形で増えることで住民の方の大雨やダムに対する不安が少なくなり
ダムへの理解、安心へと繋がる
のではないかと考えてます。

私の緊急放流の経験が何かしらの参考になり、
ダムへの理解とダムのある地域の住民の方の不安解消、早めの避難に繋がれば幸いです

日本ダム協会認定 ダムマイスター 
朝倉市3ダム愛好家 三ちゃん



☆水環境から見たダムのはなし(過去のblog)、などもアップしています。
こちらは、難しい言葉を使わずに説明しています。
https://asakurashi3dam.yoka-yoka.jp/e2348665.html

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